地方分権とはどういうことですかね?

国会議員とはどの憲法の教科書にも書いてありますが、「全国民を代表する選挙された議員」でありますから、それぞれの選挙区のためだけに仕事をする存在ではありません。
他方、ほとんどの国会議員を見ると、選挙区に金を持ってくるため努力しておりまして、国家全体の議論をすることは少ないわけです。となると、この国会議員のやっている仕事は本来、県議会議員や市議会議員がやるべき仕事をやっているということになります。しかしながら、ここで地方議会議員を責めるのもおかしいといえばおかしい。といいますのも、結局国から金を引っ張ってこなければ、財源が足りないわけですから、国会議員がその仕事をやってきたのも当然と言えば当然でありますが、それでは国家としてどうあるべきかという議論がないがしろにされるわけです。つまりそれぞれの地方が潤えばいいわけで、国家としては財政破たんしてもどうでもいいとかいうふうになりかねません。
そういう意味で最近は地方分権すべきなのかなと思いますね。つまり、財源を地方にやって、地方のことは地方で考え、国家レベルでやるべき国家財政、法律、外交、安全保障を国家でやると。
これがあるべき姿といえるんじゃないでしょうか。
結局、今の問題は責任及び権限の所在が国家と地方であいまいなところからきていることがほとんどです。それが曖昧だから、誰も責任を取らず、結果として滅茶苦茶になるわけです。それを地方に分権してしまえば、少しは地方でも責任の意識が出るでしょうし、国家も、国家としてやるべきことのみを考えるようになっていいのではと思いますね。ただこれやると、地方間の絶望的な格差が発生する可能性が十分にありますが、それこそある意味、地方分権の究極の姿ですから仕方がありません。
改革には痛みが伴いますし、ときには相当な犠牲を伴います。