中央省庁の役職について

公務員のポストの格というものについて。
特に中央省庁で働いている国家公務員についてです。
この国家公務員のポストの格を理解しないと、議論しようにも議論のしようがありません。
といいますのも、その役職はどれくらいの権限があるのかがわかりませんから。
ただ、国家公務員の役職の順番は一般人にはわかりにくいので書きます。
私も一般人なのですが。

頂点から書きますとこうなりますね。横に羅列しているものは、同じレベルと考えていいです。
一応分かりやすく数字を序数を書きますが、これらの序数の間にもいろんな役職があるので参考までにということで。

内閣総理大臣*1

内閣官房長官、○○大臣、会計検査院長人事院総裁*2

内閣官房副長官*3、○○副大臣内閣法制局長官*4宮内庁長官*5

国家安全保障局*6、内閣情報通信政策監*7内閣危機管理監*8、○○大臣政務官侍従長

*9内閣官房副長官補、内閣広報官、内閣情報官、国家安全保障局次長、内閣サイバーセキュリティセンター長*10内閣総理大臣補佐官*11、内閣法制次長*12、○○事務次官警察庁長官金融庁長官、消費者庁長官、統合幕僚長宮内庁次長

*13省名審議官、警視総監、陸上幕僚長海上幕僚長航空幕僚長

*14外局長官、警察庁次長、*15主計局長

⑧官房長*16、局長、政策統括官*17、陸上総隊司令官、方面総監、自衛艦隊司令官、地方総監、航空総隊司令官、航空教育集団司令官、航空支援集団司令官

⑨部長*18

⑩局次長、審議官*19、○○地方△△局長*20

⑪課長、参事官、主計官 *21

⑫室長*22

⑬企画官、調整官、調査官、理事官*23

⑭総括課長補佐、筆頭課長補佐、参事官補佐(総括担当)、首席事務官、先任部員*24

班長*25

⑯課長補佐、参事官補佐、主計官補佐、防衛部員*26

⑰専門官(課長補佐級)*27

⑱係長、主査、専門職*28

⑲主任 *29

⑳係員、主査付*30

という具合に。
これで結構よく分かりますね。
当然これに当てはまらない例外はありますが。
加えて、中央省庁では入省年次が重要ですから、そのあたりも加味しなければなりませんが。

詳しくは、
特別職の職員の給与に関する法律(昭和二十四年十二月十二日法律第二百五十二号)の一番下にある別表第一と、
人事院規則九―四二(指定職俸給表の適用を受ける職員の俸給月額)(昭和四十八年九月二十六日人事院規則九―四二)の一番下にある別表
を見てください。
これらの表でえらい人の順番は分かるはずです。

内閣人事局ができて、官邸主導が強化されるとこれも変わっていくのかもしれませんね。

*1:誰もが認めるナンバー1!

*2:会計検査院長人事院総裁ってこんなに偉かったんですね。これらは事務次官経験者がなることが多いので、官僚としての地位としては最高の地位か?ただ、全省庁に及ぼす権限という点では、内閣官房副長官(事務)には劣るが

*3:事務担当の内閣官房副長官は、官僚として行ける最高の地位。旧内務省系の省庁の事務次官経験者または警察庁長官がなることが多い

*4:官僚として行ける最高の地位の一つなんだが、内閣官房副長官と違って影が薄い。しかし、憲法解釈なら内閣総理大臣にさえ抵抗するくらいの権力はある

*5:宮内庁長官って事務次官級かと勝手に思ってました。旧内務省系の事務次官経験者が就くことが多い

*6:外務官僚OBまたは防衛官僚OBの指定席?

*7:民間人の指定席?

*8:警察官僚OBの指定席?

*9:一般的にキャリア官僚で入省した国家公務員たちは、一部の者を除いて、全員、このランクの役職を目指す(入省して10年くらいたつと、自分は出世コースから外れて、なれないと気付くのがキャリア官僚の5割くらいはいる。20年くらいたつと、8割のキャリア官僚がなれないと気付く。そのため、残りの2割でこれらのランクのポストを争う)。入省同期で最大一人しかなれず、誰もなれない期もある。しかし、この期とかいう考え方が時代遅れのような気も・・・

*10:国家安全保障局次長と内閣サイバーセキュリティセンター長は、両者とも、内閣官房副長官補が充てられるので、実際には、兼務になっている。

*11:こう見ると、内閣総理大臣補佐官というポストは国会議員が就くべきポストにしては、レベルが低すぎるような・・・

*12:内閣法制局長官に次ぐ、内閣法制局のナンバー2

*13:警視総監は警察庁長官と、陸海空幕僚長は統合幕僚長と実質的に同じレベルのポストと考えて問題はないはず。。。

*14:いわゆる次官級といわれるポスト

*15:全省庁の局長の中で主計局長のみ一つ格上

*16:ほぼすべての役所では、局長の中でも一番偉い局長となる。例外は、財務省の主計局長、経済産業省の経済産業政策局長が、官房長より偉いくらいかな?

*17:政策統括官の場合、その後に(○○担当)とつくことが多いが、響きが、ちょっとカッコ悪い

*18:部長というポストはある役所とない役所があるので、これは参考までに。

*19:ここから上はキャリアしかいないはず・・・。指定職俸給表が適用されるので、給料が一気にあがる

*20:地方局長は結構ノンキャリアがいる。

*21:キャリアなら大体23年でなる。ノンキャリアなら定年間近?ただ、これから天下りとかなくなって、上が詰まってくると、キャリアも定年間近になる?また、このクラスが都道府県庁に出向すると大体副知事になる。

*22:結構ノンキャリアもいるが、このポストに就くノンキャリは凄まじい能力を持っていることが多い。ちなみに、ここから公務員は、管理職になるので、残業手当がつかない一方で、管理職手当はつく。猛烈に働く人(一月当たりの残業時間が200時間を越える人)は、年収減って不満かも?

*23:部下なしのスタッフ職という整理のはずだが、なぜか、課内にいると、ラインの職員に指示を出したりする。やはり人間一人では仕事できないからか?また、このクラスが都道府県庁に出向すると大体が部長になる。

*24:キャリアなら大体15年でなる。ノンキャリアなら最短で25年?ノンキャリでここまで行けば上位2割には、入ってますよ。

*25:このポストはない役所もある希ガス

*26:キャリアなら大体8年目でなる。ノンキャリアなら最短で16年目?。どこの省庁でも法案を立案するとか予算を作るとか、国会答弁を作成するとかといった、主戦力であり、ここが作成した案が一気に大臣決定、挙句の果てに行政府で最高の意思決定である閣議決定にまでなることもあるので、非常に重要な役割。ただ、このポストは月残業、少なくても150時間という地獄ポストであり、その地獄を味わっていないこのクラスの者は、出世コースから外されたとも言える。また、このクラスが都道府県庁に出向すると大体が課長になる。

*27:キャリアが就くことはあまりなく、ノンキャリアが主体。

*28:キャリアなら大体3年でなる。ノンキャリアなら最短で8年?。このレベルでも、⑯のポストレベルに働く人はたくさんいる。キャリアの場合、係長というのは名ばかりで、実質は上にある⑯のクラスの仕事をしていることが多い。

*29:謎のポスト。⑱の係長級と⑳の係員級と何が違うのかはよく分からない名誉職。分かりやすく言うと警察官の巡査長かな?

*30:抜擢でもない限り、キャリアもノンキャリアも全国家公務員は最初はみんなここから。当然、人権などはなく、滅茶苦茶に仕事が出来るやつはまだしも、ここで上にはむかうとボコボコにされる。